
「エッ、こんなところで」というような場所でも繁盛
ここまで、お客様に継続的に買ってもらうことにより、繁盛店を目指すことについて記述してきました。では、どんな場所にお店を構えても、以上の方法でやっていけるのでしょうか?実はそんなことはありません。「ありません」と断言できるものでもなく、「エッ、こんなところで」というようなところで繁盛しているお店もあります。ただ、そのための努力は並大抵のものではないことが多く、お店を構える場所についても正しい選択をした方がいいと思われます。
店舗ビジネスの基本は「見込客→継続購入」
継続顧客になりうるお客様が数多く通行している立地、お客様を数多く集めることのできる立地で、店舗ビジネスをスタートすることも重要です。立地選定に関しても、成長期と成熟期の違いが顕著にあらわれています。成長期にあった需要が、成熟期になってなくなってしまったわけではありません。成長期においては、あらゆるところに需要があったのが、成熟期においては、購買におけるTPOがはっきりしてきているのです。成長期においては、単に人が多いということが、売れるということに結びつきました。成熟期においては、単に人が多いからといって売れるというものではなくなってきています。
見込み客を集めるところからスタート
どのようなビジネスもそうですが、見込み客を集めるところからスタートします。見込み客を集め、まず1回買ってもらって、継続的に買ってもらうのが、店舗ビジネスの基本です。近くに人がたくさんいればいいという問題ではありません。どういう人が、どういう状況でいるかが重要です。取扱商品に興味がある人が、買いたいと思っている状況でいることがベストです。そういう人が多くいれば、もっとベストな状況となります。ひとりのお客様に、何度もご来店いただくためには、買う方の価値観と商品と売る方の価値観が、ある程度一致していることが大切です。"すべてお客様の価値観に合わせることが必要なのだ"などと、無責任なことを書き記している本もあります。売る方も人間ですから、朝から晩まで、まったく価値観の違うお客様に合わせることなどできません。
業種業態と店舗立地が一致することが大切です
なるべく、取扱商品に興味のある人や価値観を同じくするお客様が集まる立地、集めることのできる立地の選定がまずは重要なのです。長くおつき合いのできるお客様は、価値観の同じ人でしかありません。業種業態と店舗立地が一致していれば、新しいお客様が次々にやってくることになります。そこに継続購買のしくみがあれば、繁盛するお店ができます。いい店舗立地であれば売れるというものでもありませんし、継続購買のしくみがあれば売れるというものでもありません。この2つがそろって初めて、繁盛店舗の基礎となるのです。入口を間違えてはいけません。最初のボタンの掛け違いは後々までひびくことになります。適性立地で店舗ビジネスを実施すれば、登りエスカレーターに乗っているようなものです。努力はそのまま、大きな成果につながることが可能です。適しない立地での店舗ビジネスは、下りエスカレーターに乗っているようなものです。努力が、なかなか、成果に結びついていきません。
商品分類
商圏分類
縦軸にその地域の小売年間販売高をとり、大型商圏・中型商圏・小型商圏の3つに分類します。横軸は都市と郊外に分類します。そうすると商圏は大きく下記の6つに分類されます。
商圏特性分析
何故、先に述べた商圏が適しているかについて、もう少し付け加えておきます。 多くの人は店舗立地の選定において、通行量を基準にしがちです。それでいいのでしょうか?実は、もっと重要な要素が2つあります。
毎日違う人、毎日同じ人
ひとつは、毎日違う人が中心に集まっているのか、同じ人が中心に集まっているのかということです。都市の繁華街などは、毎日さまざまなところから、さまざまな違う人が集まってきます。同じ都市でも、ビジネス街は、会社に勤める同じ人たちを中心に人が集まってきます。学校に通って来る学生街も同様です。住宅街の商店街も、そこに居住している同じ人が集まります。ウオンツ商品を扱う店舗ビジネスにとっては、毎日基本的に違う人が集まるところほど、販売のポテンシャルは高くなります。
また、違う人が通っているから、その人に入店してもらって、第1回目の購買をしてもらって、リピート購買してもらうというストーリーが成り立ちます。継続的な購買をしてもらえる仕掛けは、違った人たちが通行しているから成り立ちます。毎日同じ人たちが通行しているのでは、成立しづらいのです。
立地分類
広い意味での地域を商圏と呼ぶのに対し、狭い意味での地域を立地と呼ぶことにします。
現場で判断
具体的に店舗物件を決定する時は、フィールドワークの世界に入ります。実際に物件とその回りの状況を現場で何度も見て判断します。それぞれの商圏の中で、駅や商業施設に近い1等立地から2等立地、3等立地があります。基本的に、通行量の多いところは、賃料・保証金も高くなりますし、賃料・保証金の安いところは、通行量もぐっと少なくなります。
重要なのは売上予測
売上を正しく予測することが立地選定上重要です。経費はだいたい計算できます。計算できないのは売上です。店舗ビジネススタートの最大のリスクは、売上予測にあります。店舗の家賃・保証金・内装コストや仕入代金、人件費など、かかる金額に関しては、ほぼ正確に捉えることが出来ます。ただ見落とす部分があることも多く、実際の読みより多くなりがちではあります。かかる経費がわかれば、損益分岐点売上が計算できます。高く読めば、安易に出店しがちですし、低く読めば、出店の判断が下せないことになります。
問題となるのは売上推移の読み違い
店舗ビジネスの誤算は、多くの場合、売上の読み違いから生じます。売上の読み違いは、開店直後の売上の読み違い、および売上推移の読み違いの2種類があります。経験の少ない人ほど売上予測が高めになります。開店して1〜2ヶ月もしないのに、もう閉店しているような店を、たまに見かけます。素人さんが、思いつきで開業した場合などですが、あまり多くはありません。しかし、その業界である程度の経験のある人は、自分の持つ商品力・販売力と立地を見ることにより、そう大きな売上予測をはずすことはありません。
多くの場合、問題となるのは売上推移の読み違いなのです。ほとんどの場合は、売上が上昇カーブを描くと読み、多少の困難を押して出店しがちなところにあります。店舗ビジネスに携わる人の多くは、当初売上予測は冷静に低く、すなわちほぼ正しく見積もるのですが、希望的観測や成長期のビジネスの経験から、売上推移を高く見積りがちになります。そういう人たちは、最初の1年はマイナス、2年目でとんとん、3年目で利益が出始めて、5、6年で投資回収と考えます。その根拠は認知度が高まり顧客がついてくることや、商品力がUPしてくることで、売上が上がるというところにあります。しかし、現実はそうはなかなかなりません。次の年も、その次の年も、新規開店の年と売上は変わらないことが多いのです。



